地域によって全く違う! LIKESメンバーに聞いた我が家のお雑煮
お家でまったり過ごす方もいれば、感染対策をしながら実家に帰る方もいた2022年の三が日。お正月におせちを食べた、その食卓には地域ごとに全く異なる、バリエーション豊かな「お雑煮」があるはず! ということで、お正月に食べる定番の料理「お雑煮」の写真をLIKESメンバーから集めてみました。地域や家庭によって違う個性豊かな「お雑煮」を紹介します。
目次
これが、”うちの味”! ご当地お雑煮自慢
毎年お正月にいただくお雑煮、実は地域によって違いがあるのはご存知でしょうか?
例えば、東京都でよく作られているのは、小松菜などの青菜や鶏を入れて、醤油で仕立てたすまし汁を角餅にかけていただくもの。「ハレ食はサケにはじまる」と言い伝えがある新潟県では、根菜の他に甘塩鮭やいくらなどを使った雑煮が見られます。白みそが主流の関西エリア、奈良県は少し変わった食べ方で、白みそベースの汁が入ったお雑煮から丸餅を取り出して、別皿に盛った砂糖入りのきなこをつけて食べることもあるんだとか。
すまし仕上げか味噌仕上げ、丸餅と角餅など、これだけ地域性に富んでいる料理も珍しいですよね。
自分はどのエリアに近いのか、見比べてみるだけでも楽しめそうです。
LIKESメンバーによる自慢の”うちの味”
全国を旅する旅色LIKESメンバーは、今年どんなお雑煮を食べたのでしょうか。実際に食べたという投稿写真をさっそく見比べてみましょう。
[ 1杯目 ] nkoさん/新潟県在住
1杯目は、お酒が好きという新潟県在住のnkoさんが今年いただいたお雑煮。透き通ったすまし汁に様々な具材が入っていて、これだけでもしっかり栄養が摂れそうです。使っている食材は、里いもの優しいとろみが特徴的な新潟県の郷土料理「のっぺ」に近いそうですが、何と言っても気になるのは、トッピングされているいくらですよね! ちょっと添えられただけでも、彩りがグッとアップしています。新潟県だけでなく、北海道や東北でもいくらを具に使っている地域もあるようです。
◆nkoさん
「我が家は新潟、帆立とか鰹出汁、お醤油ベース。具材は大根、にんじん、里いも、蒟蒻、蒲鉾、三つ葉と塩いくらを乗せます。鮭といくらを一緒に煮る家や、鮭の代わりに鶏肉が入ってお家もあるので、家庭によって微妙に違います。
郷土料理の「のっぺ」に近いですが、それとはまた別。お餅は角餅、一度焼いてから茹でるので香ばしいですよ。」
[ 2杯目 ] KYOKOさん/熊本県在住
有頭海老が大胆に飾られているお雑煮は、インパクト大! 屋久島に1年間住んでいたこともあるという熊本県在住のKYOKOさんが投稿してくれました。
海老は、不老長寿の象徴でひげが長く伸びるまで、腰が丸く曲がるまで長生きするようにとの願いを込めて、おせちで使わるようになったという説がある、とっても縁起のいい食べ物。焼きえびや干しえびを使ったお雑煮は、九州でも鹿児島県の方で良く見られるようです。
◆KYOKOさん
「私は熊本出身で、今まで祖母が作ってたお雑煮に、今年初めて母が挑戦しました。
出汁は鰹節と昆布だけでとり、やさしいほっこりしたお雑煮。具は大根、にんじん、里いも、ごぼう、京菜、おもち、海老です。いつもは鶏肉を入れるのですが、筑前煮に全部入れてしまいお雑煮用が足りなくなってしまったので、代わりに海老を入荷しました。 おいしくいただきました!」
[ 3杯目 ] みしぇるさん/埼玉県在住
埼玉在住で「旅も、食べることも大好き」なみしぇるさんが投稿してくれたのは具沢山のこちらのお雑煮。
紹介してくれたお雑煮は、すまし汁を作ってからお餅の上にかけるのではなく、お餅を煮ることで熱を入れ柔らかくする餅煮で作るもの。お餅と一緒に煮るので、鶏肉や根菜など具材の味がしっかり染み込んで、後から掛け合わせるよりも素材の旨みが楽しめそうな一杯ですね。
◆みしぇるさん
「私は埼玉出身ですが、父が新潟出身の影響でお雑煮は新潟風です。しょうゆベースのおすまし汁に、大根やにんじん、ごぼう、小松菜など沢山の具を入れます。
お餅が見えなくなるくらいの具を入れるのがポイントです。
ちなみに新潟ではお正月に「のっぺ」も良く食べます。我が家は入れませんが、雑煮にものっぺにも鮭といくらが入っているのが新潟では主流だそうです。
どちらも祖母の味を受け継いだ、我が家の定番お正月料理です!」
[ 4杯目 ] ジャスミンさん/奈良県在住
冬はカニとお風呂が好きという奈良県在住のジャスミンさんが投稿してくれたのは、薬味のねぎがたっぷり入ったこちらのお雑煮。汁は関西エリアで良く使われる白みそをベースに、甘めに仕上げている一杯だそうです。
そもそも関西圏で良く食べられているお雑煮は白みそベースのものが多いそう。特にお雑煮発祥の地と言われる京都に近いエリアでは、「家庭円満」「物事を丸く収める」といった願いをかけ、具材はすべて丸く切ったり、お餅も丸餅を選ぶことが多いようです。
◆ジャスミンさん
「私は奈良の北部生まれの北部育ち。幼い頃から食べていたお雑煮は、白味噌風味です。
おばあちゃん、母から受け継いだレシピのポイントは、昆布と鰹だしで基礎のスープと香りを出す。にんじん、大根、里いも、豆腐を入れる、白味噌をたっぷり入れる。焼いた丸餅を入れて、おまけにネギを添える。甘い雑煮の出来上がりです。
「おもち何個食べる?」と聞いてから作ります。」
[ 5杯目 ] いぶりくりーむさん/東京都在住
5つ目は、最近和食器の収集にハマっているという東京都在住のいぶりくりーむさん。一口飲むだけで鶏肉の味が広がるんだろうなと想像を掻き立てる一枚。シンプルだからこそ、一緒に食べるおせちが引き立つ一杯ですね。
関東エリアは、すまし汁に角餅が定番。具材は少なめが主流とも言われていて、「名を取る」「名を持ち上げる」ということから小松菜を入れるところも多いようです。
◆いぶりくりーむさん
「私は神奈川出身で、関東圏のお雑煮が子どもの頃から慣れ親しんだ味付けです。
ポイントは素朴な味わいに仕上げること……ですかね。鶏肉は入れる派。今回、久々にお雑煮を作って、母が作った味付けを思い出しました。」
[ 6杯目 ] トシさん/東京都在住
旅は人生に彩りを与えてくれるものというLIKESメンバーのトシさんは、2児のパパ。投稿してくれたのは、奥さんのご実家で食べたという白みそベースのお雑煮とすまし汁ベースのお雑煮です。濃い色の金時にんじんと白みそのスープが紅白で、見た目が華やかですね。
大阪では、白みそのお雑煮は元旦だけで、2日目からはすまし汁のお雑煮を食べるお家も多いのだとか。2種類食べられるのは、なんだか得した気分になりますね。この異なる味を食べるのは、江戸時代から続く「商いの町」らしい風習だったとトシさんから教えていただきました。
◆トシさん
「今年は妻の実家のある大阪で新年を迎えました。焼いた角餅の入った白味噌ベースのお雑煮は妻の実家で、煮た丸餅の入ったおすまし仕立てのお雑煮は、箕面のホテルでいただいたものです。いずれも金時にんじんが色鮮やかでおいしくついつい食べ過ぎてしまいます。
元旦と2日目以降で異なるお雑煮を食べるという文化は、「飽きない(商い)ように」と掛けているからだそうです。さすが天下の台所ですね。毎年妻の実家で何気なく頂いていた2種類のお雑煮でしたが、今回大阪の知られざる文化を学ぶことができました。」
<番外編>編集部の”うちの味”
[ おかわり1杯目 ] ハリマ家のお雑煮
尾道出身である義理のお母さんのお雑煮を食べたという、旅色編集長が投稿した写真がこちらです。なんと、焼いた穴子を後からトッピングするそう。お正月からなんて豪華! 「あなご雑煮」とも言われているそうです。編集長曰く、「別皿に盛られた焼き穴子に箸を伸ばすのが緊張した」とのこと。
広島は「はまぐり雑煮」や「かき雑煮」、「ぶり雑煮」など、お雑煮の種類が多いとも言われています。主に、かけ汁はすまし仕立が基本で、お餅は煮て柔らかくした丸い平もちを使うそうです。
[ おかわり2杯目 ] 編集部 キドコロ家のお雑煮
最後は僭越ながら私、キドコロ家のお雑煮をご紹介します。
我が家では、1日目は父の生まれに倣い、小松菜、大根、里いもを使ったすまし汁に、焼いたお餅を合わせたお雑煮をいただきます。これは、東京の一般的なお雑煮「江戸雑煮」に近く、さっぱりした出汁が決め手です。2日目は、鶏肉、根菜類、葉野菜が入ったすまし汁を、のりで巻いた角餅の上からかけて……。房州産の海藻を干した「はばのり」を使う、千葉県の郷土料理「はば雑煮」に近いそうです。
知らない日本国民は居ないであろうお正月に食べるお雑煮。こうして並べてみると、使われている食材は結構似ていても、地域によってガラリとイメージが違うことが分かります。各エリアの歴史に沿ったユニークなお雑煮に出会ったら、ぜひ味わってみてくださいね!