【釣りの聖地】五島うどん、生まぐろ、満天の星空! 大人の夏休みにぴったりな離島・長崎県新上五島町を徹底解説!
九州最西端の島、五島列島の北部に位置する新上五島町(しんかみごとうちょう)をご存知ですか? 周囲の海には多種多様な魚が集まり、安定した足場が多いことから「釣りの聖地」といわれています。今回は、西日本を中心に離島プロデュースを行う旅色地域プロデューサー・田中が、釣りだけでなく特産品や見どころなど新上五島町の魅力を解説します。
目次
地域プロデューサー・田中のプロフィール
九州や沖縄のあらゆる離島の魅力を発見・拡散すべく奮闘中。仕事が終わったら、島に暮らす人達のなかに入れてもらい、現地のモノを食べて、二次会へ行くのが楽しみ。
長崎県新上五島町について
新上五島町は、九州の西端、長崎県五島列島の北部に位置し、中通島と若松島を中心とする7つの有人島と60の無人島から構成されています。長崎県本土からフェリーで3時間ほどのところにあり、上から見ると十字架の形。島内に29ヵ所もの教会があることから「祈りの島」と呼ばれることも。島の大部分が西海(さいかい)国立公園に指定されるほど自然が豊かなほか、白浜とエメラルドグリーンのビーチが広がる蛤浜(はまぐりはま)海水浴場、矢堅目(やがため)の夕景など、至るところで見られる絶景が魅力です。最近では、NHK連続テレビ小説『舞い上がれ!』のロケ地になり、聖地巡礼する人も増えています。
日本3大うどんの「五島うどん」が名産のひとつ。新上五島町の船崎(ふなさき)地区に寄港した遣唐使によって手延べ製法が伝えられたともいわれており、今も変わらぬ製法で作られています。発祥の地ともいわれる船崎地域は、一時期60世帯のうち40世帯がうどん作りに従事するほど、うどん作りが盛んだったそう。ゆであげた大鍋をそのまま食卓に乗せる豪快な郷土料理「地獄炊き」は、あごだしスープで食べるほか、醤油と卵に絡めるのが地元流です。
釣り好きだけでなく初心者にもおすすめの「釣りの聖地」
町の入り口にもなっている青方港(あおかたこう)は、2020年8月、離島では全国で初めて、「釣り文化振興モデル港」に指定されました。「釣り文化振興モデル港」とは、国土交通省の港湾局が港の釣り施設を活用して地域創生をしている港のこと。釣りに力を入れている青方港をはじめ、新上五島町では、メジナやクロダイ、イシダイのほか、ヒラマサやブリといった多様な魚、なかでも大物に出会えるチャンスが高いのだとか。釣り人にとっての憧れの地です。
また、入り組んだ海岸線や岩礁が多い地形のため足場のいいスポットを探しやすく、初心者も安心して釣りを楽しむことができます。釣り具をレンタルしているお店もあり、釣った魚を持ち込んで調理してくれる飲食店や宿泊施設も。釣りは、新上五島町でのイチオシのアクティビティです。
食べきれないほどの「漁師飯」で満たされる
朝食には、漁で忙しい漁師たちがササっと食べる「漁師めし」をいただきました。「漁師めし」というと、簡単なメニューをイメージされるかもしれませんが、この豪華さといったらありません。刺身は天然マグロ・天然ヒラメ・ヒラス・ミズイカ、さらにブリの煮つけと、アオサのみそ汁と盛りだくさん。刺身は醤油だけでなく、ゴマダレに付けたり、お茶漬けにして食べることができ、どれもおいしく、つい欲張っておかわりをして全種類食べました。
目玉食材は名物の「かみまぐろ」。1度も冷凍処理されずに届けられた生のマグロで、脂の旨みがぎゅっと詰まっているのが特徴です。
さらに、重さ60kgの「まぐろの解体ショー」を特別に見せてもらいました。しかも目の前の特等席! 地元密着型スーパーマーケット「カミティ」の高巣さんがマグロを手際よく切り分けながら、部位の説明をしてくれます。圧巻のパフォーマンスに思わずスマホとカメラで記念撮影。部位を切るごとに、観客から「おぉ~」と声が出ていました。
解体されたマグロは、刺身と寿司で提供。脂の旨みがおいしいものの、会場にいた70人でも食べきれないほどの量! 人生で初めてマグロに溺れそうになる(笑)幸せな体験でした。
おすすめ観光TOPICS 4選
1. 活気あふれる「上五島町漁協 競り」を見学
落札金額を記載した小さな黒板が飛び交い、独特の言葉が続く落札発表のなか、朝獲れた魚たちがどんどんと売れていく様子は圧巻! 落札後は、鮮度を長く保つために「神経締め」をするのですが、漁師の方の華麗な手さばきにも目を奪われます。
●上五島町漁協 競り
住所:長崎県新上五島町青方郷188-43
電話:0959-42-0964(新上五島町観光物産協会)
競り時間:7:30~8:00
定休日:土曜日
料金:個人 無料、団体 朝市見学・競りガイド付き 2,000円 ※要予約
2. お土産、絶景、情報なんでも揃う「矢堅目の駅」
お土産が並ぶのはもちろん、喫茶や観光パンフレットも揃う旅の休憩スポット。円錐形の大きな岩と入り組んだ海岸線が美しい「矢堅目(やがため)」にあります。近海からくみ上げた海水で作られる名物「矢堅目の塩」の工房が併設されていて、その塩を使った「塩ソフトクリーム」が人気です。
◆矢堅目の駅
住所:長崎県南松浦郡新上五島町網上郷688-7
電話:0959-53-1007
営業時間:9:00~17:00
3. 「五島うどんの里」でランチとお土産探し
有川港から徒歩約3分の場所にあるお土産物屋さんとお食事処が併設されたスポット。今年開業20周年を迎え、施設がリニューアルされました。名物「五島うどん」が食べられるお食事処「うどん茶屋 遊麺三昧」のほか、塩、椿油といった上五島の特産品の品ぞろえ町内No.1の観光物産センターがあります。
◆五島うどんの里
住所:長崎県南松浦郡新上五島町有川郷428-31
≪観光物産センター≫
電話:0959-42-0964
営業時間:8:30~17:00
定休日:1/1
≪うどん茶屋 遊麺三昧≫
電話:0959-42-0680
営業時間:11:00~14:30
定休日:月曜日、年末年始、盆明け
支払い方法:現金
4. 忘れられない夜の思い出を「星空ナイトツアー」で
海に囲まれ、周囲の「光害」が少ない新上五島町は、星空も自慢のひとつ。「五つ星ガイド」が“天然のプラネタリウム”ともいわれる満天の星空を案内してくれます。開催場所は参加者の宿泊地に近い場所が選定され、用意されたリクライニングチェアに座って星を堪能。気になる星座を見つけたり、星座に纏わる神話を聞いたり楽しみながら学ぶ時間を過ごすことができます。最少催行人数2名で年末年始を除いて毎日開催されます。
●星空ナイトツアー
体験料金:大人(中学生以上)4,000円、子ども 2,000円
集合時間:20:15 ※季節によって前後する
開催休止日:12/29~1/1
定員:20名 ※最少催行人数2名
※電話の場合は当日12:00まで、予約フォームは前日17:00までの事前予約必須
最後に
夏には「イサキ」「アカハタ」、秋は「クロムツ」「カマス」など年中“お魚パラダイス”な新上五島町は、夏に向けて海の透明度が高くなる絶好の時期です。海以外にも歴史にふれるツアーやアクティビティ、滋味豊かなグルメやお土産などがあふれています。今年の夏は新上五島町に行ってみてはいかがでしょう。