湯巡り・城巡り・ビール巡り 情緒あふれる四国3県の旅

愛媛県

2020.12.17

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 湯巡り・城巡り・ビール巡り 情緒あふれる四国3県の旅

目次

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まずは龍馬に会いに行くぜよ!

酒飲みたちの楽園! 「ひろめ市場」へ

ビール豆知識①「キリンビール」の歴史と龍馬の関係

歴史を肌で感じる“城巡り”

お城豆知識・門で見つけた“ハート”の秘密

ビール豆知識②ビールが飲める天守閣

道後温泉で美肌を手に入れたい!

湯上りの一杯は「坊っちゃんビール」で

おまけ

城・湯・ビール巡り、いかがでしたか?

こんにちは! “ビールおねえさん”こと古賀麻里沙です。

今回の「ビール旅」の行き先は四国。ビールはもちろん、重要文化財の温泉やお城、絶景スポットを巡ってパワーチャージをしてきました! 飛行機を降りてからの総移動距離はなんと400km超え。端から端まで魅力たっぷりの四国旅をご案内します。

まずは龍馬に会いに行くぜよ!

高知龍馬空港に降り立つと、早速、坂本龍馬がお出迎え。

高知に来た! って感じがしますよね。続いて、「桂浜」の龍馬にも会いに行ってきます。

「桂浜」は、高知県高知市浦戸に位置する、太平洋を臨む海岸。荒波に大きな岩……迫力満点です! さて、龍馬はどこにいるのかな?

いたーーー! いました。大きい!!! 龍馬像もすごい迫力!!

ライトアップされるとさらに目立つ。

学生の頃に「おーい!竜馬」という漫画を一気読みして、一度は訪れてみたいと思っていた場所なんです。10年以上経ってしまいましたが、ようやくお会いすることができました! 光栄です……。喜びを噛み締めつつも、そろそろお腹の虫が騒ぎ始めたので、おいしいビールと地元料理を求めて出発することに(笑)

酒飲みたちの楽園! 「ひろめ市場」へ

高知市の中心部・帯屋町アーケードの西端にある「ひろめ市場」にやってきました。中に入ると、地元料理を扱うレストランや軽食店がずらりと並んでいます。各お店で好きなものを買って、共有スペースで食べることができるので、まずは高知ならではのメニューを物色。クラフトビールも必須です。

最初はこれに決めました! カツオのタタキとクラフトビール。

……う、う、う、うんま~い! 肉厚で食べ応え抜群です。香ばしく炙られた表面に美しく輝く赤い身。カツオの旨味が口いっぱいに広がります。塩とレモンでピリッと食べるもよし、甘辛だれをかけるよし。いくらでも食べられそう! カツオにレモンを絞るので、同じく柑橘系のビールとも相性がいいはず、と思い、ビールは「高知カンパーニュブルワリー」の「TOSACO TOSAゆずペールエール」をチョイスしました。

うんうん、合う! ふんわりと柚子の爽やかな香りが漂う、とっても飲みやすいIPAです。甘酸っぱさと柑橘系の柔らかな苦味の絶妙なバランスがクセになる!

「高知カンパーニュブルワリー」は2018年に土佐に醸造所を構える会社。社長さんが、ビールが苦手な奥様でも飲めるビールを造りたい! という思いでビール造りを始めたんだそうです。す、素敵すぎる……。奥様とビールへの愛をたっぷり感じます。

ビールで胃が刺激され、食欲に火がついた私はもう止まりません。高知を存分に堪能すべく、揚げ焼きの一口餃子にあおさの天ぷら、カツオのタタキをおかわり。はい、もちろん完食しました。

◆平成浪漫商店街 ひろめ市場
住所:高知県高知市帯屋町2丁目3−1
電話番号:088-822-5287
営業時間: 月~土曜日10:00~22:00(LO21:30)、日曜日9:00~22:00(LO21:30)※時間短縮営業中
定休日:元旦、その他不定休※HPに記載

ビール豆知識①「キリンビール」の歴史と龍馬の関係

「キリンビール」の発売には、長崎の「グラバー邸」でもよく知られるトーマス・グラバーが深く関わっています。“日本でビールが普及する”と考えたグラバーを中心に、今のキリンビールの前身となる会社が設立され、キリンビールのロゴである“麒麟”のデザインの原型もグラバーが提案したもの。麒麟といえば頭が「龍」で体が「馬」の伝説上の動物。若くして命を落とした坂本龍馬を想ってこのロゴを採用した、なんて説もあるそうです。正式に言及している資料が残っているわけではないので真意はわかりませんが、本当なら感動的なお話ですよね。そんなグラバーは倒幕運動にも尽力し、坂本龍馬が仲介役をした薩長同盟に対して大量の船舶や軍需品を調達・販売も行っています。龍馬が起こした貿易結社・亀山社中の後ろ盾にもなったり、物資の手配も行ったりしていて、まさに2人は共に闘った戦友だったんですね。

歴史を肌で感じる“城巡り”

今回、ビール巡りのほかにも楽しみにしていたことがあって……それは“城巡り”! 単純に城を見てまわるつもりが、ビールにまつわるお話も聞けたりして「ビール旅」がより充実しました。四国の4ヶ所の城を訪れてきたので、こちらもご紹介したいと思います。

まずは「高知城」。昼も夜も堂々たる存在感でかっこいい。

“国宝”高知城と書いてありますが、今は違うみたいです。江戸時代に一度焼失して再建されましたが、再建時期をはっきりと記した資料がないので学術的な評価が進まず、“元”国宝なんだそうです。

続いて、香川の「丸亀城」。突き抜ける青い空と城を取り囲む雲の動きが、特別な雰囲気を醸し出していて素敵でした。写真、私はどこにいるでしょう!(笑)

3つ目は愛媛の「松山城」。標高132mの城山山頂に本丸があるので、リフトを使って登って行きます。裾野に二之丸と三之丸があり、かなり広大な敷地! 大変見応えのあるスポットでした。

ラストは「今治城」をはじめ、多くの城を築いた築城の名手・藤堂高虎の銅像です。城を水軍の基地にするため、城内の堀に海水を引いて、そこから船が直接出航できるように設計したというのが高虎。城下町の整備も合わせて行い、なんとわずか2年余りで完成させてしまったんだそう。山城の加藤嘉明に対抗するためだと言われていますが、すごいスピードですよね。さすが築城の名手、あっぱれです!

お堀の向こうには「しまなみ海道」も見えていて、とても綺麗な景色! 何百年も前から存在している建物のなかに自分が立っていると思うと、なんだか不思議な気持ちになりました。

お城豆知識・門で見つけた“ハート”の秘密

城巡りをする時、地元のボランティアガイドさんにお話を伺いながら場内をまわって、「なるほど~」な豆知識を教えてもらいました。まずは、城にある“ハートマーク”の秘密! 城の門に注目してみると、所々に可愛らしいハートマークを見つけることができるんです。

このマークが採用された時代、日本にはまだハートマークという認識がなかったので、「オシャレにハートマークを使おう!」という話になったわけではありません(笑) これは「猪目(いのめ)」という日本の古い文様のひとつで、魔除けとして使われていたマークなんだそうですよ。

もうひとつは階段の秘密について。敷地内にある階段、上りは歩きにくく、下りは降りやすい造りになっています。これは、敵が攻め入るときには上りにくく、迎え討つ側はすぐに降りられるように、という理由があるんです。……確かに上りはキツかったです。細かいところまでしっかりと計算されているんですね~。

ビール豆知識②ビールが飲める天守閣

すごい情報を入手しました! なんと、天守閣を貸し切ってビールが飲める城があるというのです。それは……「岡山城」! 「琥珀の夢で酔いましょう」というクラフトビールにまつわる漫画のなかで「岡山城」を貸し切って宴会をするシーンがあるのですが、実際に体験できるとは! 驚きです!!! 城のてっぺんで宴会だなんてお殿様になった気分ですよね。ちなみに、お殿様とお姫様の着付体験もあるみたいですよ。

▼「琥珀の夢で酔いましょう」について紹介している、こちらのページもチェック
https://nomitabi.tabiiro.jp/article/246

道後温泉で美肌を手に入れたい!

愛媛に来たら道後温泉は外せませんよね。お目当ては、国の重要文化財・「道後温泉本館」。密にならないように一度に入れる人数を制限しているみたいなので、まずは朝7時から並んで整理券を受け取ります。実は前日の夜にもここを訪れていました……整理券の配布に間に合わなかったんです……本日、早朝からのリベンジ!(笑) 無事に券をゲットして、私は10時半に入れることに。入場まで時間があるので、近所の温泉巡りをすることにしました♪

すぐ近くに2つの温泉があり、どちらも本館と同じく無加温・無加水の源泉掛け流しの湯。1軒目は道後温泉「椿の湯」に決定。1953年「第8回国体」が四国各県で行われた時に建てられた公衆浴場です。“親湯”と呼ばれ、地元の方々に愛され続けている場所。ちなみに置いてあるシャンプーは「TSUBAKI」! さすが椿がシンボルなだけあって、細かいところにまでこだわりが見られるな~と思いました。

続いて訪れたのは、すぐ隣にある道後温泉別館「飛鳥乃湯泉」。2017年にオープンした「新湯」で、飛鳥時代をイメージした煌びやかな建物です。道後温泉には飛鳥時代の皇族、聖徳太子も入ったことがあるんだそうで……歴史深いですね。新湯では本館や椿の湯にはない露天風呂を楽しむことができました。美しい日本庭園を眺めながらゆったりとした時間が流れていきます。極楽、極楽。

ふぅ~。2軒巡って体がポカポカ。いよいよ最後は、念願の「道後温泉本館」へ!

本館は「神湯」。日本最古と言われる道後温泉のシンボルです。日本の公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定されながら、博物館化せずに現在も公衆浴場として営業を続けています。

雰囲気抜群で、期待が高まります。浴室に入ると一番最初に目に入るのは、繊細なタッチで描かれた陶板画。その前には大きな湯釜があり、源泉がかけ流れています! 浴室は石造りで、大きな浴槽がひとつ。深くて熱めの温度で体の芯から温まります~~~。整理券のおかげで人が3~4人と少なく、ゆったりと過ごすことができました。お風呂上がりはお肌ツルツルで髪もサラサラ。日本の中でもトップクラスの泉質だと聞いていましたが、その通り! すごいです。これまでの風呂上がり史上No.1の素肌だと感じました。化粧ノリもいつもと全然違ってご機嫌です♪

現在は営業を続けながら改修工事を行っている「道後温泉本館」。改修工事の期間は、手塚治虫「火の鳥」とコラボしたラッピングアートを楽しむことができるそうなので、今だけの「道後温泉本館」を見に行くのも良いかもしれません。ライトアップも素敵です。夕方以降はプロジェクションマッピングも見られるそうですよ。

▼道後温泉の旅はこちらもチェック
https://tabiiro.jp/theme/dougo_onsen/

湯上りの一杯は「坊っちゃんビール」で

さぁさぁ、お待ちかね! 温泉にたっぷり浸かったので、もう喉はカラカラ。ビールが飲みたい……ということで向かったお店は、道後温泉本館の目の前にある「道後麦酒館」。100余年の歴史を持つ蔵元直営のお店です。温泉の目の前にあるなんて、最高の立地ですよね。

メニューを開くと、何やら変わったビールが! 「坊っちゃんビール」だって! 道後温泉がある愛媛県の松山といえば夏目漱石の小説「坊っちゃん」の舞台となった場所。「住田の温泉」として道後温泉本館も登場するんです。

おつまみは、「ビール酵母入りじゃこ天とたこわかめかまぼこ」を一緒に注文しました。

「坊っちゃんビール」は、ドイツのケルン地方が発祥の「ケルシュ」というスタイルのビール。柔らかな口当たりにシュワシュワと心地良い炭酸の刺激がたまりません。爽やかな味なので、お風呂上がりの1杯目にぴったりです。じゃこの旨みがギュッと詰まったじゃこ天に、コリンコリンと歯ごたえの良いかまぼこもおいしい! 海鮮の香りがしっかりと感じられて、どちらもビールによく合います。

「坊っちゃんビール」のほかにも、夏目漱石にちなんだ「マドンナビール」というものもありました。こちらのビールもドイツ発祥で、「アルト」というスタイル。麦芽の香ばしさと甘みのある味わいが特長です。

期間限定の「道後チョコレートエール」もいただきました。一口含むと甘苦いカカオの味わいが濃厚に広がります。私、チョコレート系のスタウトには目がなくって、この“大人のデザート感”がたまらなく好きなんです。

ビールと一緒に道後の美味しいものを一通り食べ尽くしちゃいました。「若鶏せんざんき(唐揚げ)」に「瀬戸内のホウタレイワシ唐揚げ」、「城川牧場のウインナー」に「瀬戸内の太刀魚巻き」。どれもこれもおいしかったけど、なかでも私のお気に入りは、〆にいただいた「宇和島風鯛めし」。

ホカホカのご飯の上に贅沢に盛り付けられた鯛の刺身が美しく輝いています。そこに卵の黄身を乗せて……

特製のタレをかけていただきます! ぶりんぶりんと弾力のある身に出汁の効いた醤油ダレと卵がたっぷりと絡んで、ご飯もビールも進みます。いや、進みすぎちゃいます。はぁ~幸せ。旅をしている時ってついつい食べすぎたり飲みすぎたりしてしまいますよね。もう一滴の水も入らない! というくらい満腹になるのに、次の日にはすっかりリセットされてる……不思議です。

◆道後麦酒館
住所:愛媛県松山市道後湯之町20−13
電話番号:089-945-6866
営業時間:11:00~22:00
定休日:無休

おまけ

そうそう、香川では城のほかにも行きたかった場所があるんです。それは、日本の夕陽百選に選ばれている「父母ヶ浜」。

南米ボリビアの天空の鏡と呼ばれ、ウユニ湖のような写真が撮れると話題のスポットです。美しい景色に、夢中でシャッターを切っていました。

城・湯・ビール巡り、いかがでしたか?

歴史に触れ、温泉で温まり、火照った体をビールで一気に冷やす! 吸収するものがとっても多くて、ボリューム満点の旅でした。それではまた次のビール旅をお楽しみに☆

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#クラフトビール #ビール #古賀麻里沙 #四国 #ビール豆知識 #坊ちゃん

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ビール旅 古賀麻里沙

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古賀麻里沙

1987年生まれ、福岡県出身。キャスター、タレント。食べることと飲むことが大好きで、日々更新しているインスタグラムとYouTubeではさまざまなビールとおつまみのペアリングを発信。日本ビール検定1級を所持し、HOPPIN’ GARAGE公認の“ビールおねえさん”として活躍中。好きなビアスタイルはIPA。ビールの輪を広げるため、日々奮闘中。 YouTubeチャンネル/「ビールおねえさん古賀麻里沙のビアフライト」

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