地域の魅力は食にあり! 「出雲を旅するお取り寄せメニュー」開発の旅

島根県

2022.01.24

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地域の魅力は食にあり! 「出雲を旅するお取り寄せメニュー」開発の旅

日本最古と言われる神社「出雲大社」など旧地の歴史とも関わりが深く、稲佐の浜や日御碕神社など観光名所も点在する島根県出雲市。北側は日本海、中央部は出雲平野、南部は中国山地に囲まれた環境ということもあり、食材の様相もさまざまです。今回はそんな出雲の食の魅力を発信するため、全国に飲食店を展開するバルニバービと旅色が“お取り寄せメニュー開発”をするプロジェクトが発足。バルニバービで総料理長を務める大筆秀樹シェフと出雲へ食材探しの旅へ出かけました。

目次

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出雲の自然の恵みを掘り起こす

試食会も実施し、より洗練されたメニューに

ついに完成!キャンドルテーブル特別コース

出雲の自然の恵みを掘り起こす

今回特別お取り寄せメニューを考案するため、出雲の地を訪れた一行。出雲では昔から広大な平野で農業が行われ、日本海と宍道湖に面していることから漁業も盛んです。海・山・湖と、それぞれの地で育まれてきた食材が溢れる、まさに食材の宝庫。

「出雲はこれまであまり接点のない土地でしたから、まだ知らない土地の魅力を食で引き出したいんです。生産者の方々にお会いして、どんな食材に出合えるのか楽しみです」
そう語る大筆シェフとともに最初に訪れたのは、出雲市と松江市をまたぐ宍道湖でしじみを生産する「しじみ屋」の代表・引野さん。

宍道湖は国内でも有数のしじみの生産地。ヤマトシジミの漁獲高は日本一を誇る。

宍道湖は国内でも有数のしじみの生産地。ヤマトシジミの漁獲高は日本一を誇る。

海水と淡水が混ざり合う“汽水域”である宍道湖では、潮の満ち引きが頻繁にあることからしじみの旨味もぐんと増すと話す引野さん。朝獲れたばかりのしじみは、水で煮出してほんの少しの塩分を加えただけでも旨味成分が凝縮された味わいです。

粒ぞろいのしじみはツヤがあり美しい。年間を通して安定的に水揚げがあるのも宍道湖のしじみの魅力。

潮の満ち引きが頻繁なことから良い出汁が出ると言われる宍道湖のしじみ

今回はこのしじみをコースの前菜として検討中だという大筆シェフ。日本人に馴染みの深いしじみの味噌汁をフレンチ風にアレンジして、あっと驚く演出にしたいと構想を膨らませます。

山々に囲まれた出雲では、キノコ類も欠かせない食材。出雲のブランド「出雲しいたけ」を栽培する「イ農ベルみだみ」の出羽さんを訪ねました。

ビニールハウスの中は年間を通して23度と高温多湿。この環境が椎茸の生育には欠かせない。

刺激をあえて与えることでシイタケの生命力を引き立たせる独自の栽培方法

広大な栽培用ハウスの中で、菌床栽培という方法を用いて育てられている椎茸。ここではサイズの大小、2つの品種を育てているそうです。

「しいたけの栽培は刺激がカギです。生育途中のしいたけを、あえて空気に触れさせないように蓋をすることで刺激が与えられ、その作用から大きく旨味のあるものが育ちます」
こだわりのある栽培方法で育てられた出雲しいたけは、肉厚で大きな傘が特徴。今回のメニューではグラタンでの使用を考えているため、ベシャメルソースにも引けをとらない香りと味わい、しっかりとした食感に注目。

しいたけの傘の裏のヒダ部分が均一で美しいのも、良いしいたけの証だそう。

しいたけの傘の裏のヒダ部分が均一で美しいのも、良いしいたけの証だそう。

現地では、採れたての出雲しいたけをその場で試食させてもらいました。フライパンの上でサッと炙ると芳ばしい香りが立ち込めます。一口噛めば、肉厚なしいたけのしっかりとした食感と、噛めば噛むほど旨味が口の中に広がり、鼻に抜ける香りにパワフルさを感じます。

前半から素晴らしい食材・生産者との出会いに気持ちも高鳴る大筆シェフたち。出雲の底知れない食材の魅力はまだまだありそうです。お次は、出雲の隠れた名産和牛。メインとなるステーキにぴったりの和牛を大筆シェフ自ら探し、たどり着いたのが「藤増牧場」です。牧場では県外にあまり出回らない希少和牛・出雲和牛を育てています。

山間にある牛舎内では約300頭の牛を飼育。ストレスに配慮し、クラシックのBGMが流れ、清潔に保たれています。

山間にある牛舎内では約300頭の牛を飼育。ストレスに配慮し、クラシックのBGMが流れ、清潔に保たれています。

山間にある牛舎内では約300頭の牛を飼育。ストレスに配慮し、クラシックのBGMが流れ、清潔に保たれています。

大筆シェフが注目したのは、牛の徹底した品質管理。上質な和牛に育つ牛を選び抜く目利きはさることながら、体内環境やストレスを与えない飼育環境にこだわる藤増牧場の出雲和牛は、肉質に大きな違いがあるといいます。

「餌には発酵食品であるビール粕や発酵させた藁を混ぜています。さらに、お米も食べさせることで、融点の低い脂の甘さが際立つ肉質が生まれます」と話す生産者・藤江さんの独自のこだわりを興味深く聞く大筆シェフ。

旅の最後に向かったのは「あさひ養鶏舎」。こちらではネッカリッチと呼ばれる木酢酸混合飼料と海藻を混ぜた飼料を食べさせ、生産された卵「ネッカ卵」を視察に。

約30万羽を飼育し、毎朝とれたての卵を1時間に6600個の速さで出荷処理する

竹下社長に案内され工場内を見学。約30万羽の採卵鶏を飼育する同社では、徹底した飼育環境とオートメーション化された生産ラインが強み。

良い卵を見分けるコツは白身。透き通った色ととろみがあるかがポイント。

実際に卵を割ってみると、大きくぷっくりとした黄身と透き通った白身が際立ちます。
「良い卵は白身でわかります。ねっとりとした感触の中にほんのり甘い余韻が残る。今回はメレンゲを使ったスイーツを考案中なので、この白身の良さがポイントになりそうです」と、白身部分を入念に味見する大筆シェフ。シェフ独自の視点から、今回のメニューに適した食材選びを行います。

出雲での食材探しの旅は、これにて終了。旅での出合いを経てどんなコースが出来上がるのか期待に胸が膨らみます。

試食会も実施し、より洗練されたメニューに

ご縁が結び良い食材と出合うことができた大筆シェフ。お取り寄せコースのメニュー考案もいよいよ大詰めを迎え、都内某所にて試食会も開催。

自宅でも出雲の食材の繊細さを最大限味わっていただけるよう、調理の手軽さや見た目の演出、食材の魅力を余すことなく伝える調理方法にも余念がありません。試食会では、自宅調理を前提としたシミュレーションを行いさまざまな意見が飛び交いました。

ついに完成!キャンドルテーブル特別コース

試作改良を重ねついに完成したキャンドルテーブル×旅色の限定コースはこちら。

*写真は盛り付け例。ドリンクなどは商品に含まれません。

キャンドルテーブル総料理長監修
「出雲を旅するフレンチコースセット」2名様用 9,900円(税込)

Amuse「宍道湖産 大和しじみのエスプレッソ」
Hours-d'oeuvre「出雲産柚子、海老と野菜のマリネ」
Hours-d'oeuvre「出雲しいたけのグラタン」
Viande「出雲和牛のステーキとズッキーニのエクラゼ」
Dessert「ネッカ卵のヌガーグラッセとカヌレ」
Du pain「パティスリー・ド・パラディの湯種パン」

各メニューに出雲産食材を使用した(※パン除く)限定のフレンチセット。出雲ならではの素材のクオリティを吟味し、さらに大筆シェフ渾身のアイデアとテクニックが凝縮されたコースは五感で出雲の旅を楽しめます。

「地域の価値やまだ見えていない魅力を、食という視点から今後も発信していきたいです。今後は地方を元気にという想いを胸に同様の取り組みを全国でも行っていきたいですね」(大筆シェフ)

今回のお取り寄せコースはバルニバービが運営するECサイト「CANDLE TABLE」にて販売。自宅に届くキットをもとに、すでに簡易調理された食材たちを解凍、火入れ、湯煎などひと手間の調理で本格的なコースメニューに仕上げることができます。ぜひレストランクオリティをご自宅でご賞味ください。

CANDLE TABLEで発売中! 購入はこちらから

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#お取り寄せ #出雲 #島根県 #バルニバービ

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