ご縁の国・出雲で麻宮彩希さんと考えた「旅をすること、移り住むこと。」

出雲

コロナ禍により働き方、暮らし方など、人々のライフスタイルが大きく変わりました。それは旅も同じ。旅を通じて、好きな場所を見つけて、2拠点生活を始めたり、移住したりする人たちが増えてきています。モデルの麻宮彩希さんは、それを体現されている方の1人。移住に力を入れている出雲の街で、旅をきっかけに出雲へ移住した方に話を伺いながら、麻宮さんと一緒に新しい旅のカタチを考えてみました。

撮影/土山大輔(TRON) ヘアメイク/親友江
取材・文/阿部大亮(編集部) 衣装協力/massless

麻宮彩希

麻宮彩希Saki Asamiya

東京都出身のモデル。2人の男の子のママ。CMや雑誌、ショーなどで活躍。趣味は読書、料理。国内外の郷土料理やその土地ならではの食に並々ならぬ興味があり、日本地図を的にダーツチャレンジをして場所を決め、その土地の郷土料理を探す旅へと出かけている。

移住 STORY1 地方移住は人間らしい暮らしを教えてくれる

星 秀磨

星 秀磨さん

東京都足立区生まれ。学生時代、国際観光学科で地域活性化、まちづくりを学び、バルニバービに新卒で入社。地元足立区にある「アダッキオ」で働く。地方移住にも興味があり、今回のオープンに合わせて2023年に出雲市に移住し「GARB CLIFF TERRACE IZUMO」店長に就任

移住 STORY1
WINDY FARM ATOMOSOHERから見える海をバックに、星さんと談笑する麻宮さん

移住、二拠点ライフも見据えた新施設が出雲の西海岸に出現

「訪れたくなる街、働きたくなる街、住みたくなる街」を目指し、2023年5月にオープンしたこちらの施設。どういった施設なんでしょうか?

星 現在は第1期で食事や宿泊が楽しめる施設ですが、第2期として住宅や公園、さらには農園なども計画しています。まだまだ計画段階なので、それ自体が変わることもありますが、それくらいいろんな可能性を考えていて、地域に根差した場所に育っていくと思ってください。

麻宮 すごい。まるでコロニーですね。まさに、コンセプト通りの施設にこれから成長していくんですね。

星 そうですね。訪れたくなるだけの場所ではなく、定住人口を増やすという目的もあるので、そこも踏まえて、働きたくなり、また住みたくなる場所になったらいいなというところがポイントです。

移住 STORY1
街づくりの第1期として大型レストランとホテルをオープン。第2期は、住居や農業支援や自立型エネルギーシステムの導入等による、地産地消・自給自足のビレッジ型エリア開発を推進していく予定とのこと。

麻宮 そのコンセプトに共感されて、星さんは実際に移住されて来たんですね。

星 そうですね。僕は東京都足立区が地元なんですが、そこで「アダッキオ」というピッツェリアのお店がオープンしたタイミングでこの会社に入社しました。駅から徒歩10分以上離れた、住宅街のなかという、閑静な場所にあるんですが、ここも店を作ることで新しく人の流れをつくって、地域を活性化させるというコンセプトなんです。お客様が目的地として目指してくれる店づくりというところに共感しました。それをよりスケールアップしたのが、この施設なんです。僕にとっても大きな挑戦です。

麻宮 ほんと、素敵な場所にありますよね。実際オープンしてどうですか?

星 近隣の方をはじめ、県外からリピートしてくださるお客様もいます。街の飲食店としてだけではなく、出雲大社をはじめこの場所は観光要素としてのポテンシャルも高いので、これまでにはなかった人の流れができはじめている実感もあって、すごく面白いですね。僕はもともと大学では観光学科で、観光の仕事にも興味があったんです。それで地域創生を食を通して実現していくというこのプロジェクトに参画しました。

麻宮 今は、もうどれくらい住んでいるんですか?

星 半年くらいですね。移住前は出張で来てたこともあるんですが、やっぱり住むと地域への入り込み方が変わります。今までは釣りもほとんどやったことなかったですが、漁港に行って釣りをしたり、ゴルフなんかも東京では早朝から移動しないといけませんが、ここだとパッと行って帰ってこれる距離なので、すごく楽しいですね。ライフスタイルがガラっと変わりました。

麻宮 地方に移住すると、人間らしい生活が見えてきますよね。私も、東京にいる時は“仕事をするために暮らす”っていう感覚でしたが、山梨に移住してからは“暮らすために働く“っていう感覚になりました。時間の使い方、流れ方が本当に変わります。東京から出るだけで、大きく変化しますね。

星 確かに通勤時間の窮屈さもなく、街の人も穏やかですし、心のゆとりを感じますね。もちろん、僕は地元である東京も好きですし、穏やかでいい人もたくさんいることは知ってますけどね(笑)。

移住 STORY1
IZUMO HOTEL THE CLIFEの全部屋には海が見えるジャグジーが

挑戦を応援してくれるムードが出雲にはあります

地方にもそれぞれの魅力があると思いますが、“出雲市”の魅力はどんなところですか?

星 出雲市として、街自体もそうだし、文化もそうだし、伸びしろを感じますね。東京は良くも悪くも成熟した街だなと思います。世界の最先端から何かを取り入れていかないと、新しい挑戦にならないというか。もちろん、地方だから簡単というわけではないですが、出雲では若者が来て何かをするということを、何でも応援してくれる雰囲気は強いですね。その分やりがいがすごい。極端な話、人口の問題もありますから、移住しただけでも大歓迎されるくらい(笑)。

麻宮 すごくわかります。東京は、確かに若者が入る隙間を見つけにくいところがありますよね。ちょっと何かを始めても、そう簡単に誰も褒めてくれないというか、承認欲求は満たされにくいです。

星 それが、移住しただけで喜んでもらえるんで、本当にいいんですか?みたいに思っちゃいますね。

麻宮 山梨もその雰囲気はありましたね。特に私は子供もいるので。公園に行くだけで、地元のおばあちゃんたちの人だかりができるみたいな(笑)。

移住するうえで何か懸念などはありましたか?

麻宮 やっぱり仕事ですかね。仕事は東京だったので、東京圏内じゃないところに住みたいってなっても「仕事をどうしよう?」というのがネックにはなりますよね。それでいうと、この施設は、働く場所も、住む場所も全部作れてしまうのがすごいですね。

星 そこは僕らも、いかに働きたいと思える環境にするかっていうところがすごく大事だとは思っています。業界としても人材が不足しがちではあるので、新しい価値を見出さなければならないと思っています。会社としても、デザインや設計の部門が内制化しているのでゼロから立ち上げに携わることで店に愛着もわきます。どんどん素敵な場所になって、あらゆる人の拠点となれるようにこれからも頑張りたいと思います。

麻宮 素晴らしい思いですね。やっぱり、実際に住んだからこそ、そこまでの思いが生まれますよね。素敵なお話ありがとうございました。

WINDY FARM ATMOSPHERE

2023年5月、出雲市最西端の多伎町(たきちょう)にオープンした185席の飲食店と8室のホテル、パーキングエリアを要した複合施設。地元の食材を生かした料理や、オーシャンビューの絶景ジャグジーが楽しめます。パーキングエリアにはグルメバーガーやキッチンカ―ラーメンなど、気軽に立ち寄れる店舗も。出雲市の新しい観光拠点としての期待も高まります。

WINDY FARM ATMOSPHERE
WINDY FARM ATMOSPHERE

GARB CLIFF TERRACE IZUMO
住所/出雲市多伎町久村1870
電話/050-3159-3298(予約専用)

IZUMO HOTEL THE CLIFF
住所/出雲市多伎町久村1870 B1F
電話/0853-86-3300

出雲・湖陵パーキングエリア
住所/出雲市湖陵町大池5-1

移住 STORY2 旅がきっかけで移住をきめたワケ

栗原晴子さん、嶋田和史さん

栗原晴子さん、嶋田和史さん

埼玉県出身の嶋田さんが京都の大学を卒業後に出雲に移住。大阪で書店員をしていた栗原さんを誘い、2021年の10月に出雲市の本町商店街に本屋「句読点」を立ち上げる

牧知子さん

牧知子さん

島根県出雲市出身。大学卒業後、都内の女性向けメディアの企画営業として勤務。2019年、家族で島根県出雲市に移住。翌年、レンタルスペース&カフェ「醗酵文化研究所」をオープン

移住 STORY2 出雲市に移住して来た方たちと座談会
写真左から、牧知子さん、栗原晴子さん、麻宮さん、嶋田和史さん

出雲の空気に惹かれ本屋をオープン

出雲市今市町にある、本屋「句読点」を営業されている嶋田さんと栗原さん。出雲に移住された経緯を教えてください。

嶋田 僕は埼玉県狭山市の出身です。高校までは埼玉県で過ごして、大学が京都だったんですが、ひとり旅が好きであちこち行っていたんです。47都道府県制覇を目標にしていて、島根にも足を運んだのが最初です。その時にゲストハウスに泊まったんですが、旅人が交流するような場所になっていて、オーナーさんとすごく仲良くなって、とても印象深い旅になったんです。

バックパッカーだったんですね。

嶋田 そうですね。僕は当時建築学科だったんですけど、自分としては建物を設計するより、“場所を運営する”ことにも興味があって、こういうゲストハウスもいいなーと思ったんです。そこで大学卒業後にそのゲストハウスで働かせてもらっていたんですが、僕自身すごく本が好きで、でも島根にはあんまり自分が行きたくなる本屋さんがなかったので、本屋をやってみようと思い、物件を探して2021年の10月にオープンしました。

栗原さんはどういったいきさつですか?

栗原 私は大阪が地元で、ずっと大阪に住んでいたんですが、 嶋田さんから「いい物件が見つかって本屋をやるから一緒にやろう」と呼んでもらったんです。ちょうど勤務していた本屋がコロナで閉店することになったタイミングで。いろんなタイミングが重なりました。

移住 STORY2
読書も大好きな麻宮さん。句読点のラインナップにも大興奮
移住 STORY2
移住 STORY2

嶋田さんは、いろんなところを旅してきた中で、出雲だからこその魅力ってどこだと思いますか?

嶋田 すごくのんびりしてる街という印象が強いですね。今もずっとそうなんですけど、それがとても肌にあっています。最初に来た時の「空広い!」っていう印象がずっと変わってないです。

大学は京都とおっしゃってましたが、京都も好きになって住んじゃう人が多いイメージなんですけど、京都ではその思いは生まれなかった?

嶋田 そうですね。京都はすでに面白い町っていうか、いろんな面白い店もいっぱいあるし、なんか今更自分が店やったところでどうなんだろうなって思ったんです。

麻宮 WINDY FARMの星さんと同じですね。東京都の足立区出身の方なんですが、都会にいると若者はなかなか目立たないけど、地方に来ると若いということだけで目立つし、周囲も応援してくれるっておっしゃってました。

嶋田 そうですよね。東京や京都で本屋開きましたって言っても「あ、そう」で終わるというか。でも、ここでは、みんな来てくれるし、すごく自分としても満たされますよね。僕も本当にここにたどり着くまでは、フラフラしてて、どうやって生きていこうってことばかり考えいていて。でもいい風が吹いて、収まったという感じですね。

移住 STORY2

牧さんは、今回の座談会会場でもある「醗酵文化研究所」というカフェ兼レンタルスペースを運営されています。あらため経緯を教えてください。

牧 元々は東京でフリーペーパーを作る会社で企画営業をしていました。すごく激務でしたね。毎日が“消費”という感じで、大分疲れていたと思います。そんな生活に疑問を感じるようになったさなか、“島根とゆるく繋がる”講座を見つけて、つい受講したんです。

牧さんは、島根が地元でしたね。

牧 はい、でも帰るつもりも全く無かったんです。でも、その講座をきっかけに島根で自分らしく暮らしている人たちとつながるようになって、自分もそんな生き方に興味がわいてきて、最初は講座を運営する側に回りたいと思い、運よくそれに携われることになったんです。

地方の情報に触れる機会が増えるわけですね。

牧 そうですね。それで “地方って面白い!”ってどんどんのめり込んでいったのを覚えています。そうしているうちに、子どもができて、子育てをするなら地方がいいよね、と夫と話をして、島根に戻ろうと決意しました。だから、移住の大きなきっかけは子育てですね。

移住 STORY2
醗酵文化研究所のカフェスペース。居心地がよいウッド調の店内

麻宮 私もそうです。東京だと、子供がどう育っていくか?っていうのが全く想像できないんです。そこがとても不安で。子供たちはその地域で暮らしている大人に合わせて生きていくしかないじゃないですか。遊ぶ場所も少ないし、子供が子供として扱われる環境を考えたら、やっぱり地方はとてもいい環境かなって。

牧 そうですよね。都内のお母さんたちを見ても、電車に申し訳なさそうにベビーカーで入ってきたり、階段では担がなきゃいけないしで大変だし。何も悪いことしていないのに、お母さんが謝らなきゃいけないシチューションって多いですよね。

麻宮 そうなると、もう外に出ないでうちにいるしかなくなっちゃう。それは、お母さんにも子供にもストレスしかないですよね。

醗酵文化研究所はどういった場所なのでしょうか?

今はカフェもやっていますが、最初はレンタルスペースとしてオープンしたんです。ちょうどオーナーが運営する人を探していて「ここやらない?」と、突然の声掛けから始まって、バタバタとオープンしたんです。ただ、コロナ禍でのスタートだったのでそんなに人も集まらなくて。だからこそ自分たちが居心地のいい場所を考えて、カフェ業態もはじめることができました。レンタルスペースの貸し出しも続けていて、味噌づくりや着物の展示会、ヨガなどのイベントをやっています。オープン時は本当に近所の人がアドバイスをくれて、街の人と一緒につくりあげた、という感覚が強いですね。

移住 STORY2
醗酵文化研究所で提供される「茄子ときのこの醗酵ミートソースパスタ」1,000円

固定のルールからの解放移住によって変わる価値観

出雲に住むことを決めて、生活はどう変わりましたか?

牧 今のところは、そうですね……。収入面では、東京時代に比べれば下がりましたけど、出ていくお金も少ないし、食べ物ももらえたりとか、すごく環境いいですよね。そうなると、〇〇さんのトマト、〇〇さんが釣った魚と顔が見える食事が並ぶので、ものすごく豊かだなって思います。

栗原 私はほかにも何ヶ所か住んだことがあるんですが、これまでも自分が心地いいなっていう場所に居られてる実感が強くて。出雲もとても好きなんですが、他もすごくいい街が多いです。自分の好きな場所がどんどん増えていく感覚ですね。

素敵ですね。移住を通じて居心地のいい場所を見つけていく。

牧 選択肢が増えるのはいいですよね。何か嫌なことがあっても、逃げられる場所があるというか。ひとつの場所に固執するのではなくて、あそこもある、ここにもあるみたいにいろんな場所があることがセーフティーネットになることもありますよね。

移住 STORY2

嶋田 働き方もそうですよね。僕も知りあいの電気屋さんの繁忙期に手伝ったり、家具屋さんの配送を手伝ったり、リサイクルショップを手伝ったりと、いろいろ掛け持ちしていますから。

牧 周りにそういう人多いですよね。1個の仕事だけじゃなくて。

麻宮 仕事は1つじゃいけないって思いこんでたところはありますが、その価値観も変わりましたね。気づかないうちに、勝手に信じ込んでいるルールってありますよね。移住を経験すると、そういうのがなくなっていく感覚があります。決まった場所に住むという大きなルールを解放すると、その先の自分がどんどん柔軟になっていくというか。

嶋田 そうですね。なんだかんだ生きていけるな、みたいな。高校生ぐらいまでは、ちゃんと大学出て就職して、なんて考えていましたが、旅を通じていろんなカタチがあるなと気づかされました。そこから、どんどん楽になりましたね。

何屋さんかわからない人たちの方が強いってことですよね。

麻宮 そうです。「職業・人間。仕事は生きること」みたいな(笑)。でも、都会の喧騒を離れると本当にそれくらい人としての自分に向き合えると思います。

句読点

句読点

「長く読んでいる本」「色褪せない本」という思いのもとオーナーの嶋田さん選んだ本が並ぶ本屋さん。岡本太郎の著作が並ぶ本棚は必見。

住所/出雲市今市町561-3
営業時間/12:00〜20:00
定休日/水曜日、第3火曜日

醗酵文化研究所

醗酵文化研究所

自由な交流を生み出すレンタルスペース&カフェ。珈琲の他、パスタやグラタン、カレーといったお食事も楽しめます。

住所/出雲市今市町1374-1
営業時間/10:00~16:00
定休日/日、月、祝日(不定休あり)
TEL/080-1637-7771

麻宮彩希さんインタビュー

麻宮彩希さん インタビュー 旅を通じて新しい土地に出会って自分の“今”を感じる

麻宮彩希さんインタビュー

出雲を巡りながら、移住者のみなさんにお話を伺いました。

これまで出雲市といえば、“出雲大社”がある街という印象で、それ以上は考えたこともなかったです。でも、移住者の方たちと接して、出雲の文化のこと、食べ物のことをもっと知ったら、もっと魅力的になるんだろうなっていうことを、感じられました。
魅力ある人たちが集まってくるということは、やっぱり街に魅力があるということなんだと思うんです。今回はたった2日間だけでしたけど、少しでもその片鱗に触れられることができたことは、とてもよい体験になりました。

麻宮さんは実際に移住生活をされていますが、同じ移住者と接することで、今の暮らしともまた違った刺激がありましたか?

私は、あくまでも“東京に通える街”という条件があっての移住生活ですが、それにこだわらず、もっともっと日本の深い部分、知らない土地に自分の身を置いてみるのもおもしろそうだな、と思えましたね。話を聞きながら、可能性を探り始めてる自分がいたので、すごく刺激になったんだと思います。今後の人生を考えるにあたってのいいきっかけのひとつですね。

移住 STORY2
移住 STORY2

旅の仕方も変わってきそうですね。

それはすごくありそうですね。いままで本当に関東圏ばかりを視野に入れていましたが、もっと離れてもいいんじゃないか、っていう発見があったので、これからはすべての旅をする目的の中に“暮らしたらどうか?”っていう視点が入ると思います。
本当に、暮らすように旅をするっていう感覚ですね。生活を見据えて旅をする。ただその場所に来て、その瞬間を楽しむだけじゃなくて、ここに住んだら、暮らし始めたらどうなるか? を考えるので、より生活に近いところを歩いたり、町の人との触れ合いも、より暮らしに近いことを聞いたり。そんな旅スタイルになりそうです。

麻宮さんが“暮らし”に求めることってどういうものですか?

難しいな~。でも、“今”を実感できること、ですかね。仕事をしてたりすると未来のことを考えなきゃいけないから、どうしても“今”が疎かになりがちなんですよね。だからこそ、日々の生活の中で“今”を感じるってすごく贅沢で、大切なことだと思うんです。これって、生活に空白がないとできないから。言葉を変えれば、余裕ということなんだと思うんですが、目に見えないようで、意外と旅を通じて見えたりしますよね。そういう余裕が感じられる街かどうか? 暮らすことによって、自分の余裕が生まれるか? そんな風に旅を楽しむのも素敵ですよね。旅を通じて、新しい土地に出会って、自分の“今”を感じるってすごく大事だなと思います。

麻宮彩希さんインタビュー