旅好きの旅はひと味違う あの人の旅プラン

鈴井貴之(タレント・映画監督・作家)

旬の人に旅への思いとおすすめの旅先をインタビュー。
空知の魅力を教えてくれた鈴井さんに、
引き続き旅の思い出と、おすすめの旅先を教えてもらいました。
「水曜どうでしょう」をはじめ、仕事でも
全国を巡る鈴井さん、おすすめの旅先はどこですか?

写真/村上未知 スタイリング/佐藤一樹(sputnik)
ヘアメイク/酒井祥歩(A laise) 取材・文/旅色編集部

鈴井貴之

北海道、東京と全国をまたにかけてのお仕事ですが、プライベートでも旅はされますか?

旅しますよ。国内ばっかりですが。何気ない景色は自宅のある北海道で十分堪能できているので、旅の目的は「特別な景色」を見ること。今年のゴールデンウィークには、富士山を見に行きました。せっかくの連休ですし、仕事の関係で関東に行くことになったので、ついでにどこか行こうかな、ああ富士山ってちゃんと見たことないなと思いまして。富士山って、新幹線で通るときに見るくらいで、ちゃんと見たことなかったんです。それで、富士山が見える宿に泊まりました。チェックインのときには見えたんですけど、次の日は雨が降っちゃいましたね。でもチラッとだけでも顔を見せてくれたので十分見たなと満足しました。

プライベートの旅は目的がはっきりしているんですね。

なにかを見たり、なにかをしたり、目的は決めていますね。昨年は箱根に行ったんです。箱根のちょっといいお宿に行ったんですけど、窓からの景色を見ると「うちから見ている景色と変わらないじゃないか。うちで十分じゃん」と思ったので、今年は漠然とした景色というよりは何かを見るっていう旅にしました。

今までのプライベートの旅で、一番印象的だったものを教えてください。

10年くらい前、一人でニューヨークに行ったんです。一人旅ってあれが初めてだったのかな。当時、元ラーメンズの小林賢太郎くんが自分の舞台をやるとき、ニューヨークで1~2カ月滞在して脚本を書いていたんですよ。ちょうど行っているというので、じゃあ遊びに行こうかなみたいな感じで、一人で行きました。2~3日、小林くんとブロードウェイでいろんなミュージカルを見たり、面白いイベントに行ったりして、残り3日間ぐらいは一人であてもなくプラプラ歩きました。面白かったですね! 著名なMOMAとかいろんな美術館にも行きましたけど、歩くのが好きなので街中を散策するのが面白かったですね。地下鉄に乗っていたら、ニューヨークヤンキースのユニフォームを着た大勢の人たちと遭遇して、イベントがあるんだろうなと思ってついていったんです。そしたら優勝パレードをやっていて、松井秀喜さんがいたんです。松井さんに手を振ったりして、あれは面白かったですね。あと、「水曜どうでしょう」のときもそうなんですけど、ロケが終わって大きな町に行った時には、僕は一人でとにかく街に出て散策をして、その国のスーパーマーケット行くのが好きなんです。滞在する街のことを知りたくなるんですよ。日本では見ない製品だとかいろんなのが売っていて、こんなところにこんなものがあるのかっていう発見。あてもなく行ってみるのが好きですね。

鈴井貴之

国内ではどうでしょうか?

大雪山は登った方がいいと思います。ロープウェイで気軽に行けますが、余裕があるなら泊まりがいい。これも結局番組絡みになるのですが、2泊3日でちょっとだけ縦走したことがあるんです。頂上からの景色だけでなく、頂上から裏へずっと歩いていくと、植物が一切生えていない岩場だらけのところがあったり自然豊かなエリアがあったりいろんな景色が見られて、「ここでスターウォーズ撮れるじゃん」と思いました。映画で見たような世界が、たった2泊3日でいろいろ見られるんです。「水曜どうでしょう」でグランドキャニオンとかいろんなところに行って、その時もすごいなと思ったんですけど、大雪山で十分じゃんって。道民でもなかなか行かないかもしれませんが、やっぱり素晴らしかったです。

あと、札幌から道央自動車道に乗って、江別東ICを越えたあたりの景色が、「ザ・北海道」。石狩平野が広がってます。山並みや豊かな自然がいいと思っていたけれど、そういうのは、日本中わりとどこにでもあるんだって北海道外の方にいわれました。実は地平線が見えるほど広い土地が北海道ならではなんだな、と。しかも江別東ICを超えて岩見沢方向を見ると遠くに大雪山が見えるんです。十勝の方に行ったら平原はもっとすごいのですが、大雪山も見えてこんなに開けているというのが「ああ、北海道だな」っていつも思いながら帰るんです。誰も語らないけど(笑)。

鈴井貴之

鈴井貴之さん おすすめの旅先

大雪山 大雪山

大雪山

北海道の最高峰「旭岳」を主峰とした山々。それらを中心にしたのが、「北海道の屋根」とも評される、陸域としては日本最大の国立公園「大雪山国立公園」です。高さは2,000m前後ですが緯度が高いため、本州の3,000m級の山岳に匹敵する環境にあり、多彩な高山植物が楽しめます。ロープウェイやペアリフトなどがあり、気軽にハイキングができるのも魅力です。

おすすめ旅スポットを旅色コンシェルジュがプラン化

「北海道の自然を満喫する癒やし旅」
鈴井さんがおすすめする「大雪山」にちなんで、旭川空港発着で旭川市からも札幌市からもアクセスのよい“大雪山層雲峡”のプランを作成しました。自然美を感じる時間を多く取るために、あえてスポットの数に余裕を持たせています。夜は泉質などお湯が自慢の温泉で癒されて非日常体験をお楽しみください。
鈴井貴之
鈴井貴之 Takayuki Suzui

大学在籍中に演劇の世界に入り、1990年に劇団「OOPARTS」を結成。解散後は、タレント・構成作家としてHTB「水曜どうでしょう」などの数々の番組の企画・出演に携わる。2015年には「ドラマ24『不便な便利屋』」(テレビ東京系)で初の連続ドラマ脚本・監督を務めるほか、作家としても活動。2010年、「OOPARTS」再始動。2018年、そらち応援大使に就任。2021年、北海道コンサドーレ札幌オフィシャルサポーターに就任。7月2日(日) 「『水曜どうでしょう』2023 最新作 ライブ・ビューイング先行上映会」を全国各地の映画館で開催。